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OKURU (大倉なな・田邊恵利子)

ひかりをおくる  – 雨と晴れのあいだに、海と私たちのあいだで –

 

2025年9月13日(土)-2025年9月23日(火祝) ※金土日祝のみ開催

11:00-17:30

 

参加作家:OKURU (大倉なな・田邊恵利子)

助成:アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]
主催:大倉なな OKURU

space櫛形

〒124-0002東京都葛飾区西亀有1-29-9 地図はこちら

展覧会ステイトメント

海の浅瀬にゆれる、アマモの葉。
ひかりを透かして、ゆらゆらと、気泡をまとっています。
そこは、命が生まれ、育ち、還っていく「海のゆりかご」。

青緑のやわらかな葉は、微生物や魚を育み、
花を咲かせ、やがて朽ちて、海の土へと溶けていきます。
その静かな循環は、私たちの身体の奥に息づく風景と、どこか重なります。

命をおくり、おくられた日。
ガラスに息を吹き込んだ日。

海辺でおにぎりを食べ、水を分け合った日。
2人のあいだで、おくりあった日々。

本展では、海草のアマモが生み出す静かな生命の循環をモチーフに、
「おくる/おくられる」という行為に触れる過程で生まれた、刺繍や絵画、吹きガラスなどの作品を展示します。

流産や喪失、病との共存。
言葉にならない体験を、分かち合うために。
瓶を吹き、海辺でピクニックをし、共に時間を重ねながら、
少しずつ、この不確かな感情を形にしてきました。

そして今、瓶の中に、そっと残された海水があります。
子宮のような瓶に差し込むひかりが、海と身体、雨と晴れ、それらの「あいだ」にあるものを、そっと照らし出してゆきます。

そのひかりは、あたたかくゆらめき、もうひとつの「ゆりかご」となります。
それは、私たちのあいだに生まれた、ひかりのような、おくりものです。

OKURU

「OKURU」とは、「おくる/おくられる」という言葉の根にある想いに、そっと触れる。
大倉ななと田邊恵利子によるアートユニットです。

大倉はこれまで、役目を終えた植物と古民家の窓を組み合わせ、「新たな呼吸器官」を、「自他の体験」を投影したインスタレーションとして制作してきました。
そのなかで、失われたものと、これから生まれゆくものとを、息を交わすように共存させ、そこに静かに漂う「生」の気配を表現してきました。

田邊は、ゴールデン・レトリバー「あめ」との暮らしの中で、無意識と意識のあいだにある「小さなつまづき」に幾度となく出会ってきました。
あめが教えてくれたその瞬間に耳を澄ませながら、見失われがちな「生の根源」を「レトリーブ=取り戻す」ように、その毛のような、やわらかな白い布とともに、静かに空間を縫い上げてきました。

誰かに花束を贈る、手紙を送る、別れを見送る……。
人々は長いあいだ、身体や記憶を通して、互いに「おくる/おくられる」という行為を繰り返してきました。

それは、ただ物や言葉をおくるだけでなく、ときに命を、やさしさを、願いを、おくることでもあります。

目には見えないけれど、たしかにおくり、おくられるもの。
そのあいだに、私たちはひかりをあててみたいのです。

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作家プロフィール

​大倉なな

ペインター。女子美術大学短期大学部造形学科美術コース卒業、ゲンロン新芸術校第6期修了、葛飾区美術会会員。
身体の器官と植物や生き物の親和性を「窓」を通して探る。
近年では絵画の枠に捉われず、役目を終えた植物や生き物を使った透明な作品等を制作する。

[個展]
2017 「 渇きの中の欲求 」かつしかシンフォニーヒルズ、東京
2019 「いのちをみがく」新宿眼科画廊スペースE、東京
2022 「透明な呼吸」Kotobuki Pourover、東京

2024 「器官と窓」space櫛形、東京

[主なグループ展]
2021 「ゲンロン新芸術校第6期 成果展Ⅱ MEGURO NO SANMA」rusu、東京
         「葛飾区美術会小品展」かつしかシンフォニーヒルズ、東京
    「ZOKU」ゲンロン五反田アトリエ、東京
    「続」ゲンロン五反田アトリエ、東京
2022 「第30回葛飾の美術家展」かつしかシンフォニーヒルズ、東京
    「私たちはZOKUに 食べられた」プライベイト、東京
    「Inside/Out」PATH ARTS、東京
2025 「応答セヨ…応答セヨ… 植物と私たちの距離」アートルーム企画室、東京

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[SNS]

HP / https://nananookr.wixsite.com/0000 
X / @nananokura
Instagram / @n.okr

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過去作品
「Kotobuki Pouroverの窓」(2022)

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田邊恵利子

現代美術家。ゲンロン新芸術校第6期、成果展Ⅰ 岩渕貞哉賞受賞。ゴールデン・レトリバー「あめ」との暮らしの中で、あめが教えてくれる小さなつまづきに耳を澄ませ、見失われた「生の根源」を「レトリーブ=取り戻す」ように、白い布とともに、静かに空間を縫い上げるインスタレーションを制作する。ジュエリーブランド「ERIKOART」デザイナー。

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[主なグループ展]

2021年 「ゲンロン新芸術校 成果展Ⅰ」ゲンロン五反田アトリエ、東京
            「ZOKU」ゲンロン五反田アトリエ、東京 
            「続」ゲンロン五反田アトリエ、東京
            「属」ゲンロン五反田アトリエ、東京
2022年 「犬展」プライベイト、東京
            「私たちはZOKUに 食べられた」プライベイト、東京
            「Inside/Out」PATH ARTS、東京
2023年 「「狗」犬展・狗楽園コラボ展 」新宿眼科画廊、東京​

[SNS]

HP / https://erikoart.stores.jp/
X / @art_erikkkkkkk
Instagram / @art_erikoart

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過去作品

「無意識と意識の狭間でつまづいた」(2023)

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©2014-2025 Marie Izawa

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