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井澤茉梨絵 個展 土の中にいる人

2024.3.16(土)-2024.3.25(月) ※土日月のみオープン 

13:00~18:00​

井澤茉梨絵の2年ぶりの個展を開催いたします。
窮屈な空間にいる人を描いた大きめの作品2点と、小品を数点展示します。

【イベント】ゆるーく交流する時間 3/17(日) , 24(日)  17:00~18:00

一人で展覧会に行っても作家となかなか話す勇気がない、ということが​私にはよくあります。

そこで、日曜の17~18時には飲み物をお出しし、ぜひ交流しましょうという時間を持つことにしました。
作品や生活について​、趣味の話、なんでもいいのでゆるーく話しましょう。

※事前申し込みなどは必要ありません

※作家は全日程在廊しております。もちろん他の日に話しかけていただいても大丈夫です!

space櫛形

〒124-0002東京都葛飾区西亀有1-29-9 地図はこち

作家コメント

●本展覧会について

 本展覧会では、「具象度を上げる」「人をモチーフの中心に据える」ことに挑戦した作品を展示しております。大学院以降、線の表現方法をより突き詰めるために、線的な造形が多く抽象度の高い植物を描くことが多くなりましたが、前回の展覧会で巨人を描いてみて(作品ページ、多彩な線の表現を用いながら人を描く手ごたえを少し感じることができました。
 人を描く難しさは、どう描いても人が主役に見えてしまうところにあります。そして、そこがおもしろさでもあります。新作では、作品のどこに注目するかによって主役が交代するように見えるもやもやした線など、「線」自体が気になる存在になるように表現しつつ、「人」という強いモチーフを用いることで、表現とモチーフをぶつけ合わせています。

●制作テーマについて

 私が絵画という制約の多い形態を選択している大きな理由は、絵画という形態に最も魅力を感じているから…という単純なものです。そして、なぜ絵画に愛着を持つのか、絵画の魅力とは何なのかを追究するために、絵を描いています。

 その一環として、現在は、「適応と反発」という大まかな制作テーマを設定しています。

 私の作品には植物などの生き物が登場し、その生き物たちが利用し合ったり、押しのけあったりして生きる様子を描きます。その際、支持体(自分の作品の場合、キャンバスを張ったパネル)の範囲を水族館の水槽のような、制限のある空間、生活環境として考え、その中でモチーフとなる生き物たちが自らの意思で育っていくようなイメージで描いています。

 「適応と反発」とは、これらの生き物同士の関係、そして生き物と環境との関係を表したテーマです。

【生き物と環境の関係】

 支持体は平面的で逃げ場のない空間であり、複数の生き物が生きるには少々手狭に見えます。一方で、環境に適応しようと工夫したり、反発したりする時にこそ力強さが生まれ、その環境で生きていける身体を獲得していきます。また、生き物の適応・反発によって、環境の形や在り方も浮彫りになってきます。

 全く同じようなことを、現実世界で感じることはないでしょうか? 私たち人間も、家、学校、会社、社会といった、何かしらの枠組みに所属する生き物であり、「適応と反発」という構図は身近にありふれています。

 私が、枠組みを感じやすい絵画という作品形態に愛着を持つ理由の1つは、この「自分の状況とのリンク」にあると考えます。 

2024.3 井澤茉梨絵 

井澤茉梨絵

1992年生まれ、京都市立芸術大学大学院修了。
置かれる環境や、他者との関係性の中で生まれる「適応と反発」をテーマとし、窮屈さや不自由さを互いに抱える生物群を描く。

そして「支持体」と「絵」はまさに「適応と反発」の関係にあると考え、平面絵画でしか表現し得ない世界を生み出すことを目標としている。
2020年よりアトリエ兼ギャラリースペース「space 櫛形」を運営。

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